|
ひとり言 バックナンバー 14 |
![]() |
Contents Scene66 星野一義 走りの極意 Scene67 コーナーを速く走る Scene68 走行に必要なもの Scene69 富士にカートコース Scene70 カートとピアノ |
|
Scene66 星野一義 走りの極意 |
先日、書店で「星野一義 走りの極意」という本をレーシングドライバーとして36年間活躍している星野さんに敬意を表して購入しました。
本の内容は、
●内外20車種乗り比べと駆動方式別ドライビング 市販スポーツカーに試乗して好き嫌いを含め評価
●これまでに乗ったレーシングマシン別ドライビング 今まで明かされなかったマシン特性
●ライバルドライバーと若手ドライバーへのメッセージ もっとハングリー精神を前面に!
●星野一義のドライバー史とレースにかける想い で構成されています。
ドライビング教本と言うよりも、星野さんからのメッセージ色の濃い内容となっています。今まで断片的に伝え聞いた星野一義の想い≠ェ2輪ライダー時代から現在までの活躍とからめてまとめられているので、レーシングドライバー星野一義という人物を理解する手助けとなります。
また、各パートの最後に置かれたコラムKazuyosi Column≠ナは
(1)自分の肉体について しなやかな筋肉をマシンを走らせることで鍛えている
(2)クラッシュの瞬間 何度も危険なクラッシュに遭遇するもののくぐり抜けてきた
(3)奥様について 影ながら支えてくれたことに感謝
(4)金子豊さんについて 信頼のおけるパートナーは妹のダンナ様でもある
(5)息子星野一樹へ レーシングドライバーになるには自分が成長する他に方法はない
(6)引退について 速さではなく義理や知名度でのオファーなら引退を選ぶ
レース戦歴とは別の想い≠熬mることができました。
星野流走りの極意とは 本の中でも触れていましたが「日本一速い男」とは苦悩しながら「日本一多く走った男」であるという事実。レースで必ず勝つという情熱を絶やさず常に一番となるために肉体と精神を集中させることではないかと思いました。
人間は年齢を重ねるごとに守るべきものが増えていきます。それは恋人や家族であったり地位や名誉かもしれません。人生のしがらみをくぐりながら勝利への情熱とその為の努力を絶やさず、さらに輝かしい結果を長期間続けるということは並大抵のことではありません。
「星野一義 走りの極意」(レッドバッジシリーズ231)は三推社・講談社刊です。
|
Scene67 コーナーを速く走る |
レースの原点は速さを競い一番を決める≠アとです。タイムトライアルで最速タイムを記録し、予選・決勝レースで勝利するためにもコースを速く走らなければなりません。速さについて過去の「ひとり言」でも再三触れてきましたが、初心に戻り速さの要素≠フひとつであるコーナーを速く走る≠テーマにしたいと思います。
サーキットを1周し最速タイムを出すためにはどうするか? 答えは「出来るだけアクセルを踏んでいる(加速)状態を長い時間作る」こと、逆に言うと「ブレーキを踏んでいる(減速)時間を少なくする」ことです。
ストレートではアクセル全開なので選択したギア比とエンジン性能でこの間のタイムが決まります。ドライバーがいいエンジン≠求めるのはストレート区間で相手よりエンジン性能が優位であれば次のコーナーまでに容易に抜けることが多いからです。しかし、カートのストッククラスなどではエンジンが同一機種のため性能に大きな差がありません。
ラップタイムに大きな差がつくのはコーナーの抜け方にあるのです。コーナーには様々な形状がありますが、大雑把にコーナー進入と脱出を考えます。
●コーナー進入はブレーキング
「ブレーキを踏んでいる(減速)時間を少なくする」ことがタイムアップにつながるのですが、これが簡単でないところに面白さや奥深さがあります。まずコーナーを曲がるための減速は必要最小限にとどめなければなりません。強力に、短時間で、的確なポイントでブレーキング(Scene3もご覧ください)しながらハンドルを切ります。コーナーのRによって一発でクリッピング・ポイントに向けるかアクセルワークに移ってからクリッッピング・ポイントへ修正することになりますが、このターン・インが決まらなければタイムアップは望めません。タイムアップを目指したブレーキングはクリッピング・ポイント手前でブレーキングを終了しクリッピング・ポイントを加速状態で抜けるようにします。
クリッピング・ポイント=アウト・イン・アウトでコーナーを通過するとき最速となるコーナーイン側の目標点
●コーナー脱出はアクセルワーク
コーナーの出口に向けてマシンが向きを変え始めたらアクセルを丁寧に開けるのがセオリーですが、丁寧にという意味は最大限マシンを前に進めながら加速することで雑なアクセル操作で外側に膨らみハンドルを切り足したりアクセルを戻すことのないようにしなければなりません。
アイルトン・セナがF1でも使っていたセナ足はエンジン回転を高く保ったままクリッピング・ポイント付近を通過しコーナーを脱出するアクセルコントロールの妙技ですが、完璧にマスターしていないとマシンの挙動を乱したり加速が鈍くなる危険性もあり初心者にはお奨めできません。
●ヘヤピンコーナー
ヘヤピンは大きく減速(ハードブレーキング)した後ターン・インするので、ブレーキの踏み始めとターン・イン〜加速姿勢が安定しているかがポイントとなるコーナーです。
●複合コーナー
コーナーとコーナーの距離が短く連続しているような場合、後半のコーナー脱出速度(立ち上がり)を重視します。最初のコーナーの進入と通過で無理をしないことでタイムを安定させます。
●高速コーナー
高速コーナーでRがややキツイ場合キッカケ≠作ってコーナーをクリアすることがあります。ブレーキが効くか効かないかというくらい瞬間的にブレーキペダルを操作すると同時にハンドルを切る、またはアクセルをほんの少しだけ戻した時にハンドルを切ることでタイミングと挙動の安定を計ります。全開でいけるコーナーでもタイヤを温存したりエンジンの負担を考えてブレーキ・タッチしたりアクセル・オフする場合もあります。
コーナーを速く走るためには練習を重ねること以外上達の手段はありません。練習方法に決まりはありませんが、ラップタイムを計測することと練習するコーナーを絞ったほうがいいように感じます。
理屈でわかっていても簡単にマスターできないところがレーシング・ドライビングの奥深いところです。
|
Scene68 走行に必要なもの |
多くのカートドライバーはマシンをコースまで運んで走行しています。コンパクトと言われるレーシングカートも走行に必要なもの一式を運ぶとなるとかなりの量になります。どんな物を持ち込んでいるか紹介します。
マシン本体 タイヤやエンジンを取り外して運ぶことで積み下ろしの負担を軽減することが多い
カートスタンド マシンのセッティングやパドック内でマシンの移動に使用
工具 必要最低限ならば小さな工具箱で済みますが、専門的な工具まで用意するとかなりの量となる
スペアエンジン 初心者のうちは1基で済みますが、練習用・レース用となると2基以上となる
予備パーツ 点火プラグ、チェーン、スプロケット他。消耗が早いので多用するものは複数用意する。緩むことも少なくなったがボルト・ナットも必要。エンジン特性の調整目的にジャバラやマフラーを複数持ち込むドライバーもいる
ガソリン携行缶 カートはハイオク・ガソリンを使用。20リットル缶が定番となっている
ミックスタンク 別名ポリミックスはガソリンとオイルを指定の比率で混ぜるとき重宝する優れもの
オイル類 2サイクルオイル、チェーンオイル、潤滑スプレー他
ヘルメット他 レーシングスーツ、グローブ、シューズ、リブ・サポーター
レインタイヤ 運搬車両にもよるが晴天でも家に置いてくるドライバーは少ない
今回紹介した物は、あくまでも単独でコース練習する場合の一例です。
ハイエースのようなワンボックス車をトランスポーターとして利用(所有)できれば理想的ですが、セダンタイプの乗用車でもカートを運搬することは可能です。セダンタイプだと運べる量には制約がありますから必要最小限の物を上手に積む工夫が必要です。
車を所有していない方でもカートショップの保管・運搬サービスを利用したり、コースのガレージを借りてカートを保管することも出来ます。これからカートを始めようと考えている方は、お近くのカートショップ、カートコースでお尋ねください。相談には親切に対応してもらえます。
|
Scene69 富士にカートコース |
F1参戦の準備を着々と進めるトヨタは富士スピードウェイを傘下に収め、来年早々からF1開催も可能となるようなコースの改修に着手するようです。計画では施設内にカートコースが2ヵ所建設される模様です。(計画の予想図はオートスポーツ誌11/4号P5にあり)
記事によるとカートコースはヤマハが参加協力しているようです。そのためかどうか予想図ではSUGO≠フカートコースに似たコースとなっていました。競技コースとレンタルに使い分けるかもしれませんが、もうひとつのコースは堺カートランド≠ノ似たコース図となっていました。
富士スピードウェイにカートコースを建設するのは鈴鹿サーキット≠竍SUGO≠ニいうお手本があることも大きな理由ですが、トヨタがモータースポーツに力を入れることを明確にすると同時にオープンホイール・ピラミッド≠トヨタが形成しつつあると言い換えることも出来ると思います。
F1を頂点とするフォーミュラー・ピラミッド≠簡単に図にしてみました。
国際F3000と呼ばれるヨーロッパ中心に開催されているシリーズとFニッポンにもいずれTOYOTAエンジンが登場すると考えられます。
FドリームはFトヨタに対抗するようにホンダが創設したシリーズであり、FJ1600は現在スバル・エンジンのワンメイクとなっています。
カートとFトヨタとの間にジュニア・フォーミュラが創設される可能性もあります。
カート・エンジンはヤマハと提携関係にあるのでヤマハ・エンジンを強化することでホンダ系無限エンジンに対抗してゆくと思われます。
また、アメリカではCARTやインディー・ライツでTOYOTAエンジンも定着したと言えるでしょう。
フォーミュラーを中心に考えましたがJGTCを筆頭にハコ≠フレースもさらなる充実、クラス創設も考えられます。
カートファンとしてはもてぎ北ショートコース≠ノ続くコース建設でカートレースを多くの方に観戦してもらいカートファンが増え、ドライバーが増えることを期待してやみません。
|
Scene70 カートとピアノ |
今回はカートとピアノを対比してみたいと思います。
ピアノは鍵盤を触れば誰でも音を出すことはできますが、曲をマスターし努力の成果を発表会で披露したりコンクールで優勝することは練習を重ねなければできません。
ピアノをマスターするためにピアノ教室に通ったり個人レッスンを受けることは珍しいことではありません。ピアノに限らず芸術やスポーツをマスターするために優秀な指導者の教えによって結果を残している人物が多いことはご存知でしょう。
構造がシンプルなレーシングカートは、ハンドル、アクセル、ブレーキを操作すれば誰でも走ることができます。しかし、好タイムを出したりレースに勝つことは簡単ではありません。
レーシングカートを指導する人物、ドライビングを指導する教室、国内カート界にレッスンプロはいるのでしょうか?現在ドライビングを教えてくれる人といえばショップのオーナーかスタッフ、先輩ドライバーといったところでしょうか?
ショップの指導方法は各ショップによって様々な形で行われています。タイム計測、ラインどりやブレーキングポイントのチェック、タイムアップのアドバイスを中心に独自の指導方法を盛り込んでいるようです。また、コースを貸し切りにしてチーム走行会を行うショップもあります。
ショップが中心となって行っている指導内容は実際に説明を受け見学でもしないかぎり、どんなことをしているのかわからないので、カートを始めようと考えている方には近寄り難い感じがあると思います。最近ではホームページを持っているショップも多いので情報を得やすくなったと思いますが、指導方法の詳細がアップされていることはありません。まして短所や悪い面を公表することはないのでショップ選びは慎重に行ってください。
将来カート界がさらに発展するとしたら、現在行われているショップの指導に加えて(a)コースにショップの枠にとらわれないコース常駐インストラクターが指導 (b)ドライビングを専門に教えるレッスンプロの誕生 (c)カートスクールの開校 となってゆくと思います。
四輪のレーシングスクールは雑誌にも広告が載っていて皆さんの目に触れることも多いと思いますが、レーシングカートのスクールは皆無と言っていいでしょう。あえて挙げるなら鈴鹿レーシングスクールにカートを使用してのカリキュラムがあるようです。まだスタートして数年ですが出身ドライバーが活躍していますので今後の活動にも注目したいスクールです。
参考にしたサイト キッズ&ジュニアカーティングHPのフォーミュラーの扉というコーナーにSRS-F(鈴鹿レーシングスクール)とエルフスカラシップそしてARTAについての解説があります。
Palma Racing Team ドライビング・レッスンのページは簡単明瞭にドライビングを表現。必読されたし!
クラブ ジムラッセル ヘンリーモローレーシングスクール ディープレーシング
ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)オートバックスと鈴木亜久里のレーシングプロジェクト
NEXTバックナンバーその15