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ひとり言 バックナンバー 12

Contents

Scene56 既にある差

Scene57 ガソリンエンジン

Scene58 表情が見えない

Scene59 登山に似てる?

Scene60 ダウンヒル競技に活用


Scene56 既にある差

F1のF≠ヘフォーミュラー(規格)の略です。厳格に規定された範囲で製作されたマシンであるため突飛な形になりようがなく、塗装されていなかったら他のマシンとの区別は難しいほどです。世界選手権であってもマシンはレギュレーションによってイコールコンディションとなるように定められています。(フォーミュラー=ラテン語の「小さな形式(form)」の意から車体重量、車体形状、エンジン排気量等が一定の規格に従ったレーシングカーも指す)

しかし、フェラーリ、マクラーレンからミナルディーまでチーム間には歴然とした差≠ェあることは皆さんもご存知のことでしょう。ミナルディーが連戦連勝する可能性はとても低いのが現状です。上位〜下位チームにある差≠ニはいったい何でしょうか?答はチームの総合力の差となります。

総合力の差を生み出している中心にあるのは資金≠セと思います。現在、F1資金の大半はスポンサーが担っています。マシンに大きく名前をいれている企業以外にも自動車メーカーからのエンジン供給の有無などで資金以外に技術的な差が生まれます。マシンの改善と改良を短期間にこなすことができるかという技術的な差。そしてチームの台所事情によって契約金を用意してドライバーと契約するかスポンサー持参のドライバーと契約するかの選択をすることとなります。

トップ快走中でも突然マシントラブルに襲われリタイヤとなることもあるというモータースポーツの危うさがあります。中位〜下位チームになるにつれ優勝の可能性は低くなりますが可能性はゼロではありません。持てる戦闘力を駆使して最善の結果を追求する姿勢は全チーム共通です。結果を積み重ねることでスポンサーが増えチーム力の向上を図りいずれトップチームになるのだという志が参戦の原動力だと思います。

カートにも差≠ェあることはモータースポーツである以上想像に難くありません。マシンがイコールコンディションであってもにエントリードライバーそれぞれの事情で物の差≠熈レース経験(走行時間)の差≠熨カ在します。

しかし、どんなに優れた物を用意したとしても、ドライバーのミスやマシントラブルがあれば物の差≠フ優位は消えてしまいます。レース経験≠ヘ精神面やレース運びにアドバンテージとなりますが、経験が少なくても今まで気づかなかった隠れた才能が目覚めベテランドライバーを超えることができるかもしれません。

「レースは筋書きのないドラマ」とか「レースはチェッカーを受けるまでは何が起こるかわからない」という言葉は使い古された言葉かもしれませんがレースごとに多くのドラマが生まれています。その出来事が結果として残り、喜びの思い出となることもあります。逆に順位を落としたり、リタイヤとなり悔しい思い出となることも少なくありません。

たとえ最後尾スタートになったとしてもドライバーはゼロではない可能性を信じてアクセルを踏んでいるのだと思っていますし、レースファンは傍観者ではあるけれども「筋書きのないドラマ」を受けとめることでレースを影ながら支えてほしいと思います。

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Scene57 ガソリンエンジン

エンジンはレースの勝敗を左右する重要な要素です。ホンダがF1に復帰し、トヨタが2002年参戦を発表、ルノーもワークスエンジン投入を決定とレース界でエンジンの話題は事欠きません。今回はガソリンエンジンというテーマで「ひとり言」。

石炭から石油へ

蒸気機関が産業革命の文字通り原動力となり、蒸気機関車や汽船が誕生した18世紀。燃料の主役は石炭でした。 

1850年代油田採掘で得られた石油は照明用として灯油の利用は進みましたが、灯油以外の軽油、重油、ガソリンは石油会社も持て余していました。特にガソリンは気化しやすく引火しやすい性格上取り扱いや保管が難しく、動力燃料として主役になるためにはガソリンエンジンの登場を待たなければなりませんでした。

ガソリンエンジンの実用化

ゴットリープ・ダイムラーが4サイクルガソリンエンジンに先鞭をつけ、カール・ベンツがガソリンエンジン自動車を実用化、ロベルト・ボッシュが磁石式火花点火装置を、ウィルヘルム・マイバッハが霧吹き式気化器を発明と1880〜1900年までにエンジンは急速にその基礎を固めました。メルセデスベンツの会社名がダイムラーベンツ社というのはご存知でしょう。ボッシュも現代まで社名を残しています。

2ストか4ストか

エンジンは吸気→圧縮→点火・膨張→排気を繰り返し回転を続けます。クランクシャフトが1回転する間に4つの行程を済ませるものを2ストロークエンジン、クランクシャフトが2回転して4つの行程を済ませるものは4ストロークエンジンと呼ばれています。実用化初期は4ストロークが先行しましたが、改良の進んだ2ストロークも20世紀に入るとコンパクトで実用充分の出力が得られるようになり2輪車やボート用を中心に急速に普及しました。現代では効率のよい4ストロークがガソリンエンジンの主流となっています。

カートは2サイクル

カートは手作りしたおもちゃの車が起源ですが、その後「GO KART」と言う名で商品化されたものが徐々に競技用に改良されて現在のレーシングカートとなりました。カートの黎明期、エンジンは構造がシンプルで軽量かつコンパクトで入手が容易な芝刈り機用などが流用されました。

これまでカートエンジンの主流は空冷2ストロークエンジンでした。これからもしばらくの間は空冷2スト≠フエンジンを使用して行くと思われますが、Scene19でも触れたとおり2000年シーズンからカートも水冷エンジンの時代が始まりました。水冷となることで今まで問題となっていた熱膨張を抑え、エンジン、キャブ、ガソリンの高温によるトラブルを低減することができます。

エンジントラブル

カートレースでエンジンがリタイヤ理由となることは珍しいことではありません。しかし、個々の原因を見るとキャブレターの調整ミスや故障で、エンジン不調≠竍ピストンの焼きつき≠起こしてしまうことが多いようです。エンジンの構造が単純なだけにエンジンブロックそのものがリタイヤの原因となることはほとんどありません。

別のリタイヤ理由としてカートエンジンはフレームにマウントパーツをボルト締めして取り付けられていますが、走行中の激しい振動でボルトが緩みエンジン位置がずれてしまうことがあります。

エンジンの将来

騒音、環境、石油の埋蔵量等の観点からエンジンに変わる動力源の研究、開発が続けられており画期的な技術開発が求められています。カートも電動(EV)カートがありますが重いバッテリーとモーターのメンテナンスから個人で所有するまでには至っていません。

変革期にあるカートですがドライビングの楽しさはこれからも変わらないと思います。マシンを自分の手足として操り、闘争心を胸にマシンと一体化しベストタイムや優勝を目指すレースに終わりはありません。

参考文献 エンジンのABC 檜垣和夫 講談社ブルーバックス

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Scene58 表情が見えない

多くのスポーツは選手の表情からゲームの駆け引きが行われたり、解説者や観戦者が選手の表情を見て「心理状態」を推察します。勝負どころでガッツポーズしたり、うなだれて立ち去ったり、疲労しているかどうか等を仕草や表情から感じ取ることが出来ます。

フルフェイスのヘルメットを被るモータースポーツはドライバーの表情が解りません。ドライバーが何を考えて走っているのか「ドライバー心理」を想像しながら観戦しなければなりません。TV中継ならば元ドライバーの方達が解説してくれますがコース観戦ではあっと言う間に前を通り過ぎるマシンを見ているだけということもありますので場内アナウンスとエキゾースト音でお祭り騒ぎとなってしまいます。(これも楽しい観戦方法ですが…)

F1などでドライバーが前を走るドライバーに対して拳を突き上げて抗議の意思を表したり、両手を上げながらチェッカーフラッグを受け優勝の喜びを表したりした時はその気持ちを感じることが出来ます。しかし両手を離すことができないバトル中などはドライバーが何を考えているのか知ることが出来ません。

私達がドライバーの気持ちをさらに解るようになるためにはカート経験やレース経験など(モータースポーツに限らず)出場者としての経験があった方が、より「ドライバー心理」を感じ取れるのではないかと思います。特にカート経験はF1にも通じるところもあるのでマシンの動きからドライバーの気持ちにより近づけると思います。

カートは乗用車の運転とは別物

カートのことを知らない方から見るとカートは「簡単な運転」に見えるようです。実際には乗った翌日筋肉痛となるほど体力を必要としますし、同じ仕様のマシン同士で最速タイムを出す難しさ、隙あらば追い越しを狙っているライバルに負けない速さで順位を獲得する難しさ等、奥の深さがあります。

カートは車体重量とエンジンパワーの比で見ると乗用車をはるかに上まわるエンジンパワーとなりF1ドライバーの発言でよく聞くアンダーステアやオーバーステアというような状態をも体験することができます。

提言 カート体験の場を学校で!

これからの学校教育の中で是非レーシングカートを体験する場を設けてもらいたいと思います。その中で知ってもらいたいことは「急ブレーキ、急加速、急ハンドルで限界を超えたマシンはコントロールできない」ということです。

世の中にこれだけ車が溢れている時代に車について教えている学校は皆無ではないでしょうか。ダメだ、禁止だ、危険だと言われても何故なのかを理解できずに押しつけられても反発するだけです。その結果恐ろしさ≠知るのは公道で無謀な運転をした後となっていると思います。

多くの人がカート体験をすればその楽しさからカートドライバーが増えると思います。またモータースポーツがスポーツとして認知され、レーシングドライバーはさらに尊敬されると思います。

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Scene59 登山に似てる?

カートでどんなに素晴らしい成績を重ねても世間一般の方々にはあくまで趣味の世界の出来事と思われて、その裏にある努力や苦労そして喜びの大きさが解ってもらえないのが現実ではないでしょうか?カートの素晴らしさを知らない人に出会った時「もっとカートのことを知ってもらいたい」と思った方も少なくないと思います。

そんなカートの認知度の低さを打開するために提言と称して学校でカートを体験させたらいい≠ニ前回の「ひとり言」に書きました。当然これを実現するためには学生、教師、父兄がその気≠ノなって学校や関係省庁を動かさなければなりません。大袈裟に言えば「世の中を変える」というような政治的な力がなければ実現は難しいということになります。

話は変わりますが、私は登山とカートは似てるところがある≠ニ思っています。

自然相手の登山と人工的なサーキットを走るカート、一見何も共通点は無いように思われますがいくつか共通している点を挙げてみたいと思います。

●準備を整えて挑戦してゆく過程で予期せぬアクシデントが発生するところ

●レーシングカートでプロドライバーとして生計が成り立っている人はほとんどいません。大半のドライバーは趣味のひとつがカートであるということになると思いますが、登山の世界もプロだという登山家はほんのわずか

●多くのアマチュアが支えているところや頂上に至るまでの苦労があまり理解されない点

●世界的な山頂を制覇したときは新聞にとりあげられることもありますがスポーツ面ではないところに掲載されるなど登山がスポーツとして扱われない点

●楽しみと達成した満足感の影に危険が潜んでいるところ

登山とカートの大きな違いは、過去に登山は教育の一環に取り入れられようとした経緯がある点がカートと異なります。明治以降、海外から輸入された登山用具は徐々に浸透し国産メーカーが生まれ出すと大学を筆頭に高等学校にも登山部が誕生し国内の山々を踏破して行きました。登山に熱心な人々はもっと多くの生徒に広めようと活動していたようですが、登山と切っても切れない遭難事故≠ナ人命が失われたことにより高校生の冬季登山禁止の通達≠ェ出るなどして高校登山部は衰退、数々の偉業を達成した大学の名門登山部も部員数激減で存続の危機となるなどして学校教育の場に登山≠ヘ実現されていません。

仮にカートで事故が起こった場合≠サれが学校の授業として行われていたとしたら非難の鉾先は引率の先生に向けられると思われます。先ほど「世の中を変える」というような政治的な力がなければ実現は難しいと書きましたが事故の責任≠他人におし付ける風潮となっている考え方を変え自己責任でよいものを選び行う事を吉とする≠ニいう考え方を学生、教師、父兄が持てば授業でカート≠ェ実現できるのではないかと思います。

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Scene60 ダウンヒル競技に活用

レーシングカートのエンジン音に魅力を感じる方も多いと思いますが、エンジン音を発するが故に新しいコースを建設するというような時には騒音問題に神経を使わなければなりません。そこでレーシングカートを使えどもエンジンを使わず下り坂を惰性で走りタイムアタックするイベントはいかかでしょうか?

マシンはエンジンを積んであってもいいと思いますがチェーンをかけない状態で使用します。スタートはもちろん押しがけ同様に飛び乗ってスタートを切ります。コーナーには安全のためクラッシュパッドを配置しなければなりませんがエンジンを使わなければ騒音問題はクリアできます。ラインどりとブレーキングの勝負となりますが坂の具合によってはかなりチャレンジしがいのあるコースが登場すると思われます。コースによってはタイムアタックだけでなく2台同時スタートや5〜6台同時スタートも可能かもしれません。

このイベントを実行するためには道路または下り坂となっている場所を閉鎖しなければなりません。一般道では交通に支障をきたすこともあるので遊園地、公園、私有地内であれば理想的です。また先ほども述べましたが安全対策にクラッシュパッドを設置しタイム計測機も用意しなければなりません。そして坂を下る競技ですから坂を登る方法も用意する必要があります。(自走して登る手もありますが騒音や安全に注意が必要です)

ワールドスポーツに詳しい方ならばご存知だと思いますが、このアイデアは私のオリジナルではなくお手本となるスポーツが存在します。それはリュージュ(そり)に小さな車輪をつけたようなもので坂を下る競技なのですが大変エキサイティングでコーナーのクラッシュパッドには藁(わら)が使われています。出場者は皮ツナギにヘルメット姿で昔のカートドライバーのようです。

追記

名前不明の競技はネットで調査したところ「ストリート・リュージュ」という名称でした。リュージュの形状はスケート・ボードを縦長に伸ばしたような構造でヘッド・レスト、シート、フット・レストが左右に張り出しています。スピードはコースにもよりますが、最高時速100kmに達します。

●ストリート・リュージュの関連サイト

Street Luge.com http://streetluge.com/ フォトページは必見

Land Luge Las Vegas http://www.lllv.com/ フォトギャラリーに画像が豊富


残念ながら日本国内でストリート・リュージュが開催されているかは解らなかったのですが、国内で類似した競技として「ローラー・リュージュ」という競技があり専用コースもあるようです。

●ローラー・リュージュの関連サイト

熊本県芦北町を紹介したホームページ http://www.fsinet.or.jp/~ashikita/index.htm

日本ローラーリュージュ協会 http://www.jrla.gr.jp/

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