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ひとり言 バックナンバー 10

Contents

Scene46 カラーリング

Scene47 濡れた路面  

Scene48 レースはチーム戦

Scene49 セッティングの選択肢

Scene50 縁石の活用


Scene46 カラーリング

レーシングカーは様々な色に塗られスポンサー名やロゴをつけています。この色やスポンサー名の位置決定はチーム側とスポンサー側の交渉によって決められます。プロドライバーが走るレースの場合シーズン開幕前の契約にスポンサー名の位置と大きさが盛り込まれているようです。また、1戦だけスポンサーとなるような場合はチーム側から位置や大きさにより金額をスポンサー側に提示して交渉が持たれるようです。

マシンのカラーデザインはスポンサー絡みで制約もありますが巧みにデザインされているものが多いと思います。シーズン開幕当初はその年どのようなカラーリングでマシンが登場してくるかがとても楽しみです。F1で言うとアロウズのマシンカラーが心配でした。開幕前にメインスポンサーが決まっていなかったのでマシンは黒いままだったからです。しかし、そんな心配をよそにオレンジというスポンサーを得たアロウズにはオレンジ色が加わりました。

カートドライバーの大半はアマチュアなのでタイヤ、カートフレーム、エンジンやケミカル用品などメーカーのステッカーを貼っている人が多いのですが大半の人はメーカーサポートを受けているのではなく単にデザインのひとつとしてステッカーを貼っています。中にはカッティングシートでオリジナルカラーデザインのマシンも見かけます。また、個人的お付き合いが縁で受けたサポートのお礼としてマシンに会社や商店のステッカーを貼っているマシンも時々見かけます。

カートフレームの色は赤や黒が主でしたが近年では様々なカラーバリエーションのモデルが発売されており、中にはメタリック塗装されているものもあります。しかし、フレームの色はよほど注目しない限り観戦者は気がつきません。フレームカラーはメーカーの心意気の現われではないかと思います。

十数年前のカートはサイドボックスやフロントパネルのようなパーツが付いて無かったのでレーシングスーツ(昔は皮ツナギで黒が大半だった)とヘルメットしか色を主張する場所がありませんでした。現在ヘルメットは購入後塗装する関係で白が主体ですが、レーシングスーツは実にカラフルになりました。これは難燃性布地(ノーメックス)が登場したからで、初期は単色だったものが最近では様々な色の生地を組み合わせてアマチュアでもオリジナルスーツをオーダーできるようになりました。(参考レーシングウェアThe Man SpiritのHPhttp://www.theman-s.com/

大半のカートドライバーは思いのままにカラーリングを施していますが、チームによってはチームカラーを統一しているところもあります。この場合同じクラスにチーム員が複数エントリーしているとドライバーを判別しにくい場合があり困ったことがあります。(ヘルメットまで同じデザインの場合)

最後に、色は人間の心理に影響を与えることが知られています。

色に関するHPを紹介します。「カラーコーディネートの世界」 http://www.gulf.or.jp/~naoki/index.html

追記 オートスポーツ6/1号のP70に「GTマシンのカラーリング大図鑑」と題して多くのマシンを見比べることができます。

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Scene47 濡れた路面

カートは雨が降って路面が濡れていたら通常レイン用(溝付き)タイヤを付けますが、初心者の方にはウェットコンディションの時、試しにスリックタイヤ(溝無し)で走ってみてほしいと思います。

濡れた路面をスリックタイヤで走ってまず感じるのは曲がらない、止まらない≠ナしょう。これはタイヤ表面と路面それぞれに水の膜ができて滑ってしまうことが原因と思われます。水によって摩擦抵抗が減少することでコーナリング、ブレーキングは大きな影響を受けてしまいます。

曲がらない要因

1.ブレーキングでタイヤがスリップ、フロントタイヤへの荷重移動量が少ない

2.タイヤグリップの減少でカートがコーナリングする時に求められる後輪イン側の荷重低減量が少ない

止まらない要因

1.ブレーキディスクとブレーキパッドの間に水膜があるとブレーキを踏んだ時(瞬間ではあるが)水膜がなくなるまでブレーキが効かない

2.ドライ路面と同じ踏み方でブレーキを踏むとタイヤと路面のグリップを瞬時に失いタイヤの回転が止まりスリップ状態となってしまう

ドライ路面では強力にグリップしていたタイヤが濡れた路面ではあっという間にコントロールを失います。また、コーナリングとブレーキング以外にアクセルワークにも繊細な操作が必要です。滑りやすい路面状況でラフなアクセルワークをすれば10馬力少々のカートでも簡単にホイールスピンを起こしてしまいます。それはF1中継で見ることのできるホイールスピンと変わりません。

ウェットコンディションをスリックタイヤで走るとレインタイヤではわからなかったカートの特性がハッキリ見えるような気がします。

1.マシンが安定したブレーキングをするためには直進状態でブレーキをかけるのが良い

2.前輪に荷重がかかっていない状態ではハンドルをいくら切っても曲がらない

3.ブレーキング終了後のコーナー立ちあがりは丁寧に無駄のないアクセルワークが必要

最後に

雨の中スリックタイヤでの走行はとてもスピンしやすいので他のマシンの邪魔にならないようコースが空いている時に行ってください。また雨はエンジンに悪影響を与えるなどリスクが伴うこともあります。大切なマシンを壊さないよう十分注意して走行してください。

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Scene48 レースはチーム戦

決勝レース中のラップタイムを見ると予選PPタイムを超えることは滅多にありません。1ラップだけ最速タイムが出るようにセットした予選セッティングのマシンとロングランを想定し燃料を沢山積んだマシンでは見た目同じマシンではあるけれど予選用と決勝用は異なった思想でセッティングされた別のマシンで走っていると考えていいと思います。

ラップタイムを更新し常に自身最速タイム(ファステストタイム)を維持することができれば良いのですが、タイヤグリップやエンジンの熱ダレなどの性能低下もあり突如ラップタイムが良くなることは考えられません。ドライバーとしてはラップタイムを急激に落とさないように努めることが決勝レース中に求められているのです。

F1やCARTではピットインしたマシンにピットクルーが素早い作業を行いマシンを再びコースに送り出すシーンを見ることができます。TV解説でもよく耳にしますがドライバーがコースで短縮できるタイムはコンマ数秒、ピット作業ではその何倍ものタイムを短縮または加算してしまう≠ニ言われています。

レースはドライバーひとりだけで勝利することはできません。ピットクルーの素早い作業がレースの明暗を分けることも珍しくありません。またメカニックとの意思疎通(コミュニケーション)もマシンセッティングを決めるために重要ですしマシンの改良には優秀な工作技術と思想をもった人がいなければなりません。

トップフォーミュラーではチームも大きな組織で運営されています。ドライバー、監督、テクニカルディレクターやデザイナーがマスコミで紹介され私達の良く知るところですがその他に資金面、技術面を筆頭に企業と同様に多くの部署(人員)で構成されています。

カートもトップフォーミュラーと求められる役割に違いはありません。レースを戦うためにはいくつもの役割があります。すべてを挙げることはできませんが思いつくままにいくつか記します。

・資金調達、運用、購入などお金に関する役割

・ライセンス取得、エントリー申し込みなど事務的なこと

・マシン運搬のためのトランスポーター調達と運転

・ドライバーとしてレースバトル、ライン取りやコース攻略

・メカニックとしてセッティングやメンテナンス

・監督としてレース戦略の方針決定

マシンがコースを走っている時間以外でドライバーとしての役割≠ヘ少ないということに気がつきます。多くの方はショップのチームに所属しているのでショップの方の協力を得ながら参戦しています。レースに出るための負担をショップが軽くしてくれるだけでもドライバーにとっては強力な味方です。

少ない人員でレースに参加できるところがカートのいいところです。それがたとえ個人エントリーであっても立派なレーシングチームなのです。

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Scene49 セッティングの選択肢

カートをショップで買った方はあらかじめショップで基本的なセッティングを施されたマシンで初走行されたと思います。まず、カートに慣れることが初走行の目的なのでアクセル、ブレーキ、ハンドル操作を直に感じながら何周も走ったのではないでしょうか。カートに慣れてタイムが安定してきたら「より速く走れるように」セッティングの変更をします。

セッティング変更の目的はより速く≠ェ第一ですがその他にマシンを運転しやすいようにしたりタイヤの負担を減らす目的でセッティングを変更します。シンプルな構造のカートですが多くの部分を自分で変更調整することができます。はじめのうちは変更部分は一ヶ所に留め試してゆきますがセッティング変更を考えるとその組み合わせは数えきれないほどに増えていきます。

あるひとつのセッティングがベストの状態を長時間保つことができれば理想的なのですが、現実にはレース周回数のどこかでベストな状態となった後は徐々にタイヤ、エンジンが性能低下するので極端にラップタイムが落ちないように維持しているにすぎません。どの時期に焦点を合わせるか<戟[ス全体を考えて最大公約数または妥協点を探します。

主な調整箇所

セッティングを1ヶ所変更することで問題が解決すればいいのですが、セッティングを変更するとその影響が他の部分に現われることも珍しくありません。1ヶ所の変更が別の部分に影響を及ぼし望みのセッティングが得られず迷ったり答えを見失ったりします。

セッティング変更で注意しなければならない点は、運転のしやすさ≠セけを追求しないようにすること、問題の原因がドライビングにあるのにマシンのせい≠ノしてセッティング変更で対処しようとすることには注意しなければいけません。セッティングの多くは走行中変更することができないのでドライビング変更でドライバーが柔軟に対応することができれば、他の問題点解決にセッティング変更を使うことができます。

セッティングを煮詰めるためには安定したドライビングが必要だと思います。安定したドライビングを検証する手助けとなるのがデータロガーでパソコンの普及と共にかなり身近になってきました。ドライバーの勘や記憶、そしてラップタイムだけに頼ってきたセッティングデータ採りがデータロガーで大きく変わることに間違いありません。

セッティング変更で乗りやすく速いセッティング≠ェ見つかったときには大きな喜びがあるでしょう。レース前だったら優勝の夢も大きくふくらみます。マシンセッティングは奥が深いものだと思います。

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Scene50 縁石の活用

サーキットでタイムアップをするためには最も効率よいレコードラインを走ります。レコードラインを走るとコーナー通過はアウト・イン・アウトが基本となりますので大半のコースではコーナー手前アウト側→コーナーイン側→コーナー出口外側の縁石ギリギリを通過します。

縁石はマシンがコース幅いっぱいを使ってアウト・イン・アウトのラインを通ったとき舗装路面の縁を痛めないように、また泥をコース内に持ち込ませない効果や極端なショートカット防止の効果もあります。多くは路面から緩やかに高さをつけて盛り上げてあります。

コースによっては縁石を効果的に使うことでさらにタイムアップ出来ます。イン側の縁石を使いイン側が浮き上がることでアウト側に荷重が移りコーナリングをスムーズにする手助けとなるならば縁石を積極的に使った方がいいでしょう。またアウト側縁石までラインを広くとることでより速くアクセルオン可能でタイムアップにつながる場合、縁石もコースの一部と考えて使います。

縁石使用の注意点は

初心者のうちは後輪車幅の感覚を忘れやすく注意が必要です。縁石に乗りすぎて挙動を乱したり縁石から後輪がはみ出てコースオフしたりします。また縁石以外にもクラッシュパッドと後輪が接触してマシンが跳ね上がることもあります。

ホームコースの場合、練習を重ねていることや他車の走りを見て縁石の使い方をマスターすることが出来ますが、遠征したコースの場合限られた時間で縁石の使い方を含めたコースのラインどりをマスターしてレースに臨まなければなりません。地元ドライバーの走りを見たり自分の経験に基づいた走りでコースを攻略します。

コーナリングの理想はコーナーのイン側に沿って小さくまわる≠ナすが、これはあくまでも理想で現実的ではありません。アウト・イン・アウトは基本ですがタイムアタックとレースバトルではラインに違いが出ることがあります。また2つ以上のコーナーがつながった複合コーナー≠ヘ後半の脱出スピードを重視するのがラインどりのセオリーです。縁石を使用するかどうかはラインどりと密接な関係にあります。

2000年F1ヨーロッパGPの開催コース、ニュルブルクリンクのTV中継(予選)ではビードルシケインを通過するマシンをスーパースローモーションで撮影していました。ビードルシケインは長い全開区間の後にハードブレーキングで右左に切り返して通過するのですが、ドライバーによって最初の縁石へのアプローチに違いがあるように感じました。

特に違いを感じたのはマクラーレンの2台とシューマッハのマシンの動きの違いでした。マクラーレンの2台は縁石を無難にクリアしスムーズなラインで通過したのに対し、シューマッハは積極的に縁石を使いスーパースローの映像で見ても瞬時にマシンの向きを変える離れ業でシケインを通過していました。

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